酸化と還元

一般的には物質が酸素と結びつくことを酸化、酸素を奪われることを還元と区別されることが多く分り易い解釈のしかたですが、少し詳しく説明します。

酸化
物質が酸素と結びつくと酸素に電子を奪われる。
このように、ある物質が電子を奪われる反応を酸化と呼ぶ。
相手が酸素でなくても電子を奪われれば広い意味で酸化と呼ばれる。
水素を奪われる反応も水素と一緒にその電子も奪われるので酸化といえる。

※相手を酸化させる物質を酸化剤と呼ぶ。相手を酸化することにより自身は還元される。酸化剤はO3(オゾン)など、酸素を与えやすい構造を持つ。

酸性と酸化(力)の違い
塩酸(HCl)は強酸だが酸化力はない。=相手に結合させる酸素を持っていない。

還元
酸化の逆の反応を意味する還元は、分子(原子)が電子を与えられる反応ととらえることが出来る。同様に水素を与えられる反応も還元といえる。

※相手を還元させる物質を還元剤と呼ぶ。相手を還元することにより自身は酸化される。
還元剤はブドウ糖、エタノールなど相手に水素を与えやすい構造を持つ。特に水槽内での脱窒(硝酸還元)には水素が大きく係わる。

酸化還元電位(ORP)

物質が電子を奪いやすい環境(酸化しやすい環境)にあるか、与えやすい環境(還元されやすい環境)にあるかを示す指標(※)。単位はmV。

プラス(+)で大きくなれば酸化力が強く、マイナス(−)で大きくなると還元力が強くなる。低い酸化還元電位を好む細菌ほど嫌気性細菌として嫌気度が高い。

ORP 活動する菌 反     応
+1100mV 電解水などと呼ばれ、触れた有機物は瞬時に酸化分解されてしまう。
+200mV
  〜+400mV
硝化細菌 ニトロソモナス、ニトロバクターなどの硝化細菌が活動する。充分にエアレーションされた水槽のORPといえる。
−50mV
  〜−200mV
硝酸還元菌 還元バクテリアによる脱窒が行われる。バクテリアの硝酸塩呼吸、亜硝酸呼吸が行われ窒素がN2などとして大気中に放出される。
還元バクテリアを有効に働かせることが出来る範囲はここ!
−200mV以下 硫酸還元菌 硫酸の還元が始まり硫化水素が生産される。硫化水素が発生している場所は、底砂が黒っぽく変色する。硫化水素は生物の血液内のヘモグロビンと結びつきやすく酸欠を招く。通常は底砂の深部で発生し硝化反応域で硫酸イオンに戻るため、生物に影響を与える事はない。
−330mV以下 メタン菌 炭酸還元が始まる。飼育水槽内ではまず、起こる事はない(ここまでORPが下がる事はない)反応。